損害賠償請求権は相続の対象?交通事故で損害賠償金がもらえることになった人が死亡した場合

2020.01.7

亡くなった人の財産のうち、目に見えないもの、例えば特許権や商標権、著作権などの知的財産権、電話加入権、営業権など権利に関するものがあります。

その中で、交通事故が原因で亡くなったときに損害賠償を請求する権利について、どのような取扱いになるか、いざとなると判断しにくいです。

損害賠償金は、場合によっては金額が大きくなりますので、相続税の対象になるのかどうかによっても相続税額がずいぶん変動します。

ここでは「損害賠償請求権」について説明していきます。

相続財産の種類

相続手続きにおいては、相続人間でもめることなく遺産分割協議が成立し、それにしたがって順次完了していくことが望ましいです。

その前提として、亡くなった人の相続財産の全体が把握されていないといけません。

その財産の中には、現預金や不動産といった、目に見える財産はもちろんですが、目に見えない権利についても相続の対象となるものがあります。

たとえば、人に貸したお金を返してもらう権利、特許権のような知的財産権、営業権のような実体に伴った権利などです。

その中で、損害賠償に関する請求権があります。

実際に、損害賠償請求権について考慮しないといけないケースは少ないかもしれませんが、いざというときのために、ここで触れていきます。

損害賠償の種類

ところで、損害賠償の種類には、どんなものがあるのでしょうか。大まかに二つに分かれます。

一つ目は契約上の約束ごとが守られなかったことで発生した損害を賠償すること。

二つ目は故意または過失により被害者に与えた損害を賠償することです。

前者でいうと、売買契約をしたが違う商品が納品された。とか、業務委託契約において社外秘の情報を第三者に漏らされたことで損害を被った、というケースです。

後者でいうと、交通事故でけがをして働けなくなった、亡くなってしまったというケースがあります。

損害賠償請求権

損害賠償請求権は、上記のいずれの場合も、相続の対象となると考えられています。

逸失利益(本来けがなく、若しくは生きて働いていれば受け取ることのできた利益)や損害を被ったことによる慰謝料に相当する賠償を含め、相続の対象となってきます。

例えば交通事故が原因で被害者が亡くなってしまった場合、その損害賠償請求権が相続されないことになってしまうと、直接被害者(亡くなった人)本人が被った損害(被害者に対する慰謝料など)の分が、相続人が請求できる金額から低くなってしまう可能性があるためです。

損害賠償請求権にかかる相続税

それでは、損害賠償請求権は、相続税の課税対象になるのでしょうか。ある程度の賠償金額であれば、相続税の対象となるのかならないのか、によっては税額が大きく変わってくることになります。

遺族が損害賠償請求をしたとき

被害者が交通事故にあい、すぐに亡くなってしまったケースをみていきます。

死亡事故によって生じた損害賠償を請求するのは、被害者である本人はすでに亡くなってしまっているので、遺族の方(通常は代表相続人)です。

その際には、先ほど述べた被害者(亡くなった人)が直接受けた損害自体(被害者に対する慰謝料など)も含めて請求することになります。

この場合の損害賠償金は、実際には請求した遺族が受け取ることになります。

本来、被害者が生きていれば、本人が受け取るべきものではありますが、これらは税務上相続財産とはならず、相続税はかからないことになっています。

大切な家族が、不慮の事故である日突然亡くなってしまい、残された遺族の今後の生活や感情を考慮した判断でしょうか。

被害者本人が損害賠償請求をしていたとき

事故の損害賠償について、争いがあり、示談が成立していない状態だったり、裁判中だったりするケースについてはどうでしょうか。

被害者が損害賠償請求をしていましたが、決着がつく前に亡くなってしまったケースです。

相続財産としては、死亡日時点における財産を評価しますが、損害賠償金額は決まっていません。

死亡日時点では、損害賠償請求権という権利としての財産が残っていることになります。

この場合は、前記のケースと同じように相続税の対象にならないのではなく、損害賠償請求権という債権を評価して、相続税の対象となります。

この場合の評価は、裁判においての双方の主張を検討して適正に判断されることになります。

また、裁判などで損害賠償金額が確定していたにもかかわらず、その金銭を被害者本人が受け取る前に亡くなってしまったケースも考えられます。

この場合は、貸付金などと同様に捉えられ、相続税の対象となります。評価については、確定した損害賠償金の金額となります。

国税庁のタックスアンサーより

以上の点については、国税庁HP(https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/4111.htm)に次のとおり記載がありますので、参考にしてください。

「被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。

この損害賠償金は遺族の所得になりますが、所得税法上非課税規定がありますので、原則として税金はかかりません。

なお、被相続人が損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。」

まとめ

このように、損害賠償請求権といっても、請求する内容や死亡時期とのタイミングにより、相続税がかかるかどうか違いが出てきます。

遺族の感情を思えば、すんなり理解にくい点もあるかもしれませんが、あとから相続税がかかると知らなかった、と後悔しなくて済むように、きちんと押さえておきたいです。

特に、生前に損害賠償請求をしていたかどうか、争い中かどうか、決着がついたかどうか等は、本人の生活スタイルを知らないと、気付かないかもしれません。

常日頃から家族とのコミュニケーションを心がけておくと、相続において煩わしい思いをせずに、さらに余分な税金を払わなくてもよい結果につながります。

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