JAでの相続手続きの方法は?4つの相続手続きをご紹介します

2020.01.7

亡くなった方の財産のうち、農業協同組合(以下「JA」)取引がある場合は、注意したほうがよい点がいくつかあります。

相続手続きについては、基本的には他の銀行等と同様の手続きではありますが、少々異なる点がいくつかあります。ここでは、JAの手続きについて詳しく説明します。

JAバンクの管轄

組合員の農業経営や生活の安定を目指していることから、地域性が高い金融機関です。ある一定の地域ごとに、運営単位が決まっています。

組合員になる人や相続において、出資を引き受ける人などは、その管轄内に住所がある人、もしくは、管轄内に農地を持っていて、その農地から一般的に行き来できるところに住んでいる人であることが望ましいと考えられています。

その点から、相続手続きにおいても、考慮しなければいけない点があります。

相続手続き

残高証明書

JAの一支店において、預金取引、共済契約、出資金等それぞれについて、担当部署が異なります。貯金課、共済課などが各支店にあり、出資金は各支店経由で本部担当となっています。

亡くなったことを連絡する際や、実際の手続きをする際には、漏れのないように各担当部と打合せをする必要があります。

したがって、残高証明書を受け取るタイミングなども、各取引によって異なります。

貯金

遺産分割協議

遺産分割協議による相続の場合、JA所定の相続手続き依頼書には、代表者もしくはその代理人の署名捺印のみにより手続きを進められます。

相続人全員の署名と実印押印は、遺産分割協議書にすでになされており、相続手続依頼書には全員の署名と実印押印は必要ありません。

つまり、ほかの支店や、ほかの金融機関の手続きにおいても、遺産分割協議書があれば、相続人代表者もしくはその代理人の署名捺印のみで足ります。

それ以外に必要な書類としては、所定の死亡届があります。相続手続依頼書とは別に死亡の届出を出す必要があります。

そのほか、貯金通帳や証書、ポイントカードなどがあれば、相続手続依頼書と一緒に提出します。紛失して見つからない場合はその旨を相続手続依頼書に該当チェックを入れておけば、手続きが滞ることはありません。

公正証書遺言

公正証書遺言があって、遺言執行者が決まっている場合、公正証書遺言のみで手続きができます。この場合、相続手続依頼書に署名捺印するのは、遺言執行者になります。

亡くなった人の死亡記載のある戸籍と、遺言で財産を受ける人の戸籍があれば、基本的に手続きができます。ただし、相続人の関係によっては、それ以外の戸籍が必要になることがありますので、事前に確認が必要です。

公正証書遺言があっても、遺言執行者が決まっていない場合は、家庭裁判所に対し、遺言執行者の選任申立てをしたうえで、上記のとおり手続きを進めます。

自筆証書遺言

自筆遺言の場合は、遺言執行者が決められているか否かに関わらず、まずは家庭裁判所において検認手続きをする必要があります。遺言の内容が正しいかどうかではなく、遺言の存在自体を確認する作業です。

検認調書を添付した上で、自筆遺言の記載内容に沿った相続手続きを進めます。検認手続きにおいては、記載内容の点検までは行いません。

したがって、実際に相続手続きをする際には、誰が財産を引き継ぐのかが特定されていなかったり、どの財産のことが書いてあるのか、財産の特定がしにくい書き方だと、手続きを進められない場合があります。

JAに限らず、他の金融機関においても、あらかじめ確認しておくのがよいでしょう。

遺言による相続手続きの場合も、遺産分割協議書による手続きの場合と同じく、JA所定の死亡届の提出が必要です。

共済契約等

JAでは保険の取り扱いがあります。他の銀行等でも取り扱いがありますが、それはあくまで代理店のような扱いです。

JAでの取り扱いとは若干異なります。共済契約として組合員が契約しており、掛金(いわゆる保険料)は契約者のJAの口座から引き落としが原則です。

共済契約

その共済契約の被保険者が亡くなった場合、該当があれば、死亡共済金の請求を行います。

共済契約者が亡くなった場合、被保険者が生存していれば、その契約は消滅しませんので、その契約を維持するか解約するかを決めます。

契約を維持する場合は、契約者変更の手続きをとります。契約者変更のためには、新契約者のJA口座を登録して、共済掛金を引き落とすことになります。

掛金の引落しは、JAの口座でないと対応ができないので、相続人がJAの口座を持っているかどうかの確認が必要です。取引なく口座がない場合は、新たに口座を開設していただく必要があります。

建物更生共済契約

建物更生共済契約(いわゆる「建更」)の場合は、対象となる建物をだれが相続するかにより、承継する者が変わります。別の相続人が相続してもよいですが、通常は建物の新所有者となる方が妥当と思われます。

相続にあたっては、契約の解約返戻金があるようであれば、その評価額が相続税評価額となります。しかし、先に述べた共済契約とは違い、建更の場合は、一般的には掛け捨てになっている契約が多いと思われます。

いずれにしても、金銭的価値がある共済契約については、評価証明書を依頼して財産としての評価を確認する必要があります。

出資金

JAは農業推進の趣旨があり、出資を募った上で、組合員のための事業を行っています。出資者は、組合員となる資格を有するのですが、その組合員に相続が発生した場合は、どのような手続きが必要なのでしょうか。

出資証書

出資者になった当初、出資証書が発行されています。その後出資口数を増加したり、変更がある場合を除き、発行当時のまま保管されていることが多いと思います。

相続が発生すると、出資証券を原則返還しないといけません。ただし、最近では出資証券を発行しないことになっています。

したがって、相続手続きが完了しても、新しい出資証券が発行されたり、裏書きされたり、などで手元に戻ってくることはありません。

出資金

既に組合員である方が相続する場合、相続を機に組合員となる場合、相続を機に脱退して払戻しを受ける場合等により、手続きする書類が異なります。

単に「相続」と言っても、どのような方法で相続をするのか、という点について押さえた上で、手続きする必要があります。

また、手続きのタイミングが、相続税申告期限である、亡くなって10か月経過したあとになると、一旦脱退して加入する方法になってしまい、手続き書類もことなってきます。準備を速やかに進めることが大切です。

また、出資に対する配当金は、通常出資者名義人の貯金口座へ入金されますが、相続手続きにおいては、口座凍結のタイミングによって、受け取れていない配当金が残っているかもしれません。

その他

融資や購買・利用等の利用登録、保有米カード変更、農業者年金など、JA独自の取引がある場合も注意して、相続の手続きが残らないようにしましょう。

まとめ

このように、JAは地元に根付いた事業が中心になっているので、取引の種類が多く、そのため相続手続きにおいても、注意する点が多くあります。

亡くなった人と同居していなかった相続人や、農業は親に任せていたという相続人の方は、馴染みが薄いかもしれません。

取引店によく相談されるか、専門家に任せるのも、よりスムーズに手続きをするための一つの方法だと思います。

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