借金も相続する必要ある?負債の相続手続きポイントをお伝えします

2019.12.29

相続といったらお金がもらえるばかりではないことをご存知でしょうか?

財産を相続するのはもちろんですが、マイナスの財産、つまり借金やローン、借りている物などの負債も相続します。

プラスの資産が多額な負債のせいで逆に相続によって相続人が借金を背負うことになり、大変なトラブルになる可能性があります。

今回は相続に関しての負債の取り扱いの方法をまとめましたので、トラブルになる前にしっかり把握していただきたいと思います。

相続財産

故人が遺してくださったものですから、正しく取り扱って、正しく相続したいですよね。何が相続財産になり、何が負債になるのか、しっかり把握しておくことが大事です。

プラスの財産

プラスの財産は文字通り、資産として価値のあるものになります。貰って嬉しくなくても資産として価値が認められれば相続財産として計上されます。

いったいどんなものがあるのでしょうか?1つずつ見ていきましょう。

・現預金
家にある現金や、銀行などの金融機関に預けているお金はプラスの財産になります。金銭ですので、そのままの価値で相続財産として計上されます。

・生命保険金
被保険者が亡くなった場合は、その方が入っていた保険から支払われるお金が相続財産として計上されます。

ただし、500万円×(相続人数)で算出される金額は生命保険金等の非課税枠として相続財産計算上、死亡保険金から控除されますので、覚えておくとよいでしょう。

・死亡退職金
故人が会社にお勤め中だった場合は、会社から退職金が支払われることがあります。
これも相続財産として計上されます。

ただし保険金同様、500万円×(相続人数)で算出される金額は非課税枠として控除されます。

・不動産
土地や住宅、ビルなどを個人が所有していた場合は、それもプラスの財産となります。金銭のように明確な価値が決められていませんので、路線価などの算出方法で価値を算定し、相続財産に計上します。

たとえ、地方の山奥の土地のような、行くのに時間もお金もかかって、逆に負債なんじゃないかと思うような場所でも、プラスの財産として評価額が計上されてしまいます。

・動産
車や家財道具などもプラスの財産です。これも金銭のように明確な価値が決められませんので、減価償却や鑑定などで算定し、相続財産に計上します。

・有価証券
会社の株や、投資商品などを個人が所有していた場合、投資信託をしていた場合などは、これらも価値を算定して相続財産に計上します。

・債権
誰かにお金を貸していたり、国債・地方債・社債などを購入していた場合、もしくは個人事業を営んでいた場合で故人の生前にあった取引で請求額を回収していなかった場合、それが返ってくる見込みが立証できるとプラスの財産になります。

また会社経営者で、会社に故人の資金を貸し付けして運営していた場合、それも債権として回収する見込みがあれば個人にとってはプラスの財産になります。

これらも利息分などを計算して相続財産に計上します。

マイナスの財産

マイナスの財産はあまり良くないイメージの財産ですが、意外と多くの方が持っているものですので知っておく必要があります。

・住宅ローン
持ち家の方で住宅ローンを組んでお住まいになっている方は多いのではないでしょうか?これはもちろん負債に計上されます。

もし団体信用生命保険(死後に住宅ローンが残っていても代わりに返済してくれる保険)に加入していた場合は、この住宅ローンは保険会社が肩代わりしてくれることになりますので、負債として計上することはなくなります。

・自動車ローン
車もキャッシュでなくローンを組んだり、ディーラーで残価型クレジットで乗っていたりと、様々な形で乗っている方が見受けられます。これらの支払い残価は負債となりますので計上します。

・消費者金融・カードローン・個人間融資
金融機関に借りている場合は保証人をつけていることが多いと思いますが、個人間融資の場合は保証人がない場合もあり、特にトラブルになりやすいです。

・クレジットカードの残債・リボ払いの残債
近年ではリボルビング方式という払いかたで、長い年月をかけてクレジットの残債を返している方もいらっしゃいます。
そういう残債の支払いが完了していない場合に、これらも負債として計上されます。

・その他、未払い金
病院への未払いの医療費や、事業をしていた場合の買掛金、葬式費用なども実は負債に含まれます。

プラス財産の相続手続き

プラスの財産は遺言書があり、遺言の内容でどの資産を誰にどの金額分相続させるのか、詳細に分割内容が決められている場合は、これに従って分割し相続の手続きをすれば大丈夫です。

しかし、遺言書のなかで割合しか明記されていない場合や、そもそも曖昧な内容しか書かれていなかった場合、もしくは遺言書がなかった場合は遺産分割協議をしないといけません。

これは相続人全員を集めて行うもので、相続人全員が納得のいく内容で相続ができるよう、分割の割合や、何を誰に相続するかといった内容を決めていきます。

特に家を相続する場合は、共有名義にしない限り誰か一人に相続させないといけません.

土地と家の価値を合わせた金額分より現金・預金額の方が少ない時には家・土地を受け取る相続人が他の相続人にその金額分渡すか、負債を抱えるように協議を進めることもあります。

協議が円満にまとまれば、遺産分割協議書を作成し、遺産を誰がどの分だけ相続するのかを明記しておくとよいでしょう。
そのあとで相続登記や、銀行口座の引き出し・解約、株式の名義変更などをしていくことで相続の手続きが完了となります。

相続税は原則、相続の開始から10か月以内に支払う必要があります。
よくいわれる基礎控除とは、3,000万円+600万円×(法廷相続人の人数)で算出される金額を相続財産から控除するという計算式で、基礎控除額を超えた分にだけ相続税がかかるというものです。

源泉徴収や確定申告で扶養控除を受けている方にはわかりやすいかもしれませんね。

法定相続人が3名ならば相続財産の総額が4,800万円までは相続税がかからず、4,800万1円以上から、4,800万円を引いた金額に相続税がかかってきます。

マイナス財産の相続手続き

負債ももちろん相続しないといけませんので、遺産分割協議の中で話し合わないといけません。

誰がどの負債をどれだけ負担するのか、しっかり考えることが大事なのですが、実は負債があると相続税の控除額が増えます。

負債控除というのですが、負債をして算出・計上された金額分だけ、プラスの財産で算出された金額から差し引くことができるのです。
その為、プラスの財産の産出額が、基礎控除額を超えていた場合でも、負債を計算してみると実は基礎控除額内に収まったというパターンもありますので、一度確認・計算してみると良いでしょう。

相続放棄と財産放棄の違い

実は相続というものは放棄をすることができます。
但し、正しく放棄をしないと、デメリットが発生しますので、注意して相続放棄をしましょう。

相続放棄

そもそも相続放棄とは、「自分を相続人としてみなさない」というものです。

相続人から外れますので、マイナスの財産はもちろん引き継がなくてよくなりますが、同時にプラスの財産を分割される権利も無くなってしまいます。

財産放棄

よく似たものに財産放棄というものもあります。

相続放棄とは違い、「相続人からは外れない」で財産の相続権だけを放棄することになりますので、プラスの財産はもらえないのに、マイナスの財産は請求された!なんてトラブルに巻き込まれることがありますので注意しましょう。

また、相続人ではあることから、被相続人が借金している人から請求されることがあります。しかし、そこで「私は財産放棄したから払いません」とは言えません。

逆に相続放棄をしていると、請求されても支払いを拒否することができます。

プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合

負債の方がプラスの相続財産より多かった場合、多くの人が相続の放棄に目が向きがちだと思います。

但しそれだと、次の相続順位の方に負債の負担が回ってしまいますので、トラブルのもとになる可能性があります。

次の相続順位の方が弁済能力のない未成年、年金暮らしの方、専業主婦の方などだった場合は、本当に大変なことになってしまいますよね。

実は、相続したプラスの財産の範囲内でのみ、負債を返済するという手段もあります。これを「限定承認」といいます。

限定承認では、相続した金銭の範囲内に収まる金額しか返済をしませんので、自分の身銭を切ることなく負債を弁済できるのが特徴です。

しかし限定承認は相続放棄と違って、相続人一人だけで行うことができず、相続人全員の同意のもと、全員で手続きをしないといけません。

足並みがそろわないこともあり、なかなか限定承認の手続きをする方々は少ないのが現状です。

最後に

考えてみると意外と身近に負債となるものはあります。

それらが相続のタイミングで整理されているとスムーズに相続に入れますし、煩雑なままでいると相続トラブルのもとになります。

また、負債の方が相続財産より大きい場合は、相続放棄や、限定承認といった手段をとることも十分考えられます。

これから終活をされる方は、プラスの資産だけでなくマイナスの試算もする心掛けをして頂くとよいでしょう。

逆に遺される方々は、生前から遺していく方としっかり話し合い、自分たちで資産の整理をするぐらいの心持ちでいたほうが良いかもしれません。

相続に関してご不明な点や、生前から不安な点がある場合は、信頼できる我々専門家にご相談ください。

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