不動産を相続するときに知っておくと役立つ名寄帳について

2019.12.29

「名寄帳」という言葉を聞いたことはありますか。相続の手続きにおいては、知っておいたほうがよいもののひとつです。財産を把握するうえで重要な書類です。知っておけば、無駄な出費を抑えられるかもしれません。詳しく説明していきます。

名寄帳とは

名寄帳(なよせちょう)とは、ある人が所有している全ての不動産について、一覧形式で表示されている書面のことをいいます。

そして、基本的に不動産の所有者が、市町村の固定資産税の係で取得できるものです。なお、名寄帳には、その市町村内で、本人が所有しているすべての不動産の記載がありますので、大変便利なものになっています。

ただし、不動産の所在地の管轄ごとなので、全国すべての不動産を対象にすることはできません。

ある人が所有している不動産は1つだけと認識していても、名寄帳を取得してみれば、実は他にも、不動産を所有していることが判明することもあります。

所有者に相続発生

特に、亡くなった方の不動産がある場合、不動産の相続登記、いわゆる名義変更をしなければなりません。

また、相続税申告が必要かどうかという点からも、最初の段階で亡くなった人の全ての不動産を把握している必要があります。

つまり、名寄帳を取得し確認するということは、相続の手続きにおいて非常に重要な作業なのです。

亡くなった人の名義の不動産は自宅不動産だけ、と相続人が思っていても、そうでないことがあります。

たとえば、自宅以外に、例えば自身の実家を相続していた、複数人と山林を共有していた、など相続人が知らない物件を所有していることはよくあります。

普段亡くなった人と関わりが少なかったり固定資産税がかからない物件だったり、ほかの共有者が固定資産税を負担していたりするケースです。

このように亡くなった人の名寄帳を調べてみると、相続人が知らなかった複数の不動産が発見されることもよくあります。

遺産分割協議後に発見された不動産

もし、相続登記を完了した後で、もしくは、相続税申告をした後で亡くなった人の不動産がほかに1つでも存在していれば、そのためだけに再度、相続登記の申請書類を作成する必要があります。

新たに見つかった不動産について評価をし直さなければなりません。

つまり、相続税申告や不動産の名義変更の手続きをする前、最初の段階で亡くなった人の名寄帳を取得して不動産全体を把握していなければ、二度手間になってしまう可能性があります。

そしてもし、司法書士などの専門家に相続登記を依頼していた場合は、相続登記を2度行うことになるため相続登記の費用がかかります。費用的にも割高になってしまいやはりこれはもったいないですね。

名寄帳の取寄せ方

以上のような理由からも、もし、相続登記を予定している場合、最初の段階で亡くなった人の不動産の名寄帳を取得しておくべきです。

なお、相続登記の手続きには、不動産の評価証明書という書類が必ず必要なのですが、実は不動産の評価証明書を取得する時に、名寄帳も同時に取得することが可能です。

というのは、評価証明書・名寄帳の取得先は、同じ市町村の固定資産税の係ですので、同時に取得することができるのです。

ただ、市町村によって、同じ請求用紙で取得できる場合もあれば、評価証明書の請求用紙と、名寄帳の請求用紙をそれぞれ別個に提出しなければならないこともあります。

いずれにしても、相続登記を予定しているのでしたら、評価証明書については、必ず取得することになりますので、その時に名寄帳も一緒に取得しておくと良いです。

費用については、名寄帳は無料でもらえる市町村も多いです。もし、手数料がかかっても何千円も必要なわけではなく、1件につき200円~300円前後という役所がほとんどです。

もし、名寄帳を確認せずにわかっている不動産だけ名義変更をした後で、亡くなった人の不動産が他にも発見された場合、再度、数万円もの相続登記の費用がかかってしまいます。

さらに、その後に発見された不動産について、再度、相続人同士で話し合いをしなければならなりませんので、手間と時間も倍以上かかってしまいます。

そういった理由からも、相続登記の費用や、後々の手間や心配も考えると、亡くなった方の名寄帳を最初に取得し、すべての不動産を確認しておくことをお勧めします。

名寄帳取得に必要なもの

では、まず、名寄帳を取得に共通して必要になる書類は、

① 税証明書交付申請書
② 交付手数料
③ 身分証明書

以上の3点はどの場合も必要になります。

税証明書交付申請書

税証明書交付申請書については、取得先の各市区町村の役所ごとに名称や様式が異なりますので、名寄帳の取得のための申請書を用意する必要があります。

交付手数料

交付手数料については、通常、1枚につき数百円を役所に支払います。役所によってその料金は変わります。

身分証明書

身分証明書については、申請人の本人確認が目的となりますので、運転免許証のような顔写真のあるものを提示します。

そして、亡くなった人が所有していた不動産の名寄帳を取得したい場合、
上記の①~③に加えて、
相続人であることのわかる戸籍類が必要になります。

戸籍

相続人であることのわかる戸籍類とは、具体的には、亡くなった方の最後の戸籍と名寄帳を取得したい人が相続人だということを証明できる戸籍のことです。

相続人だということを証明できる戸籍とは、亡くなった方と相続人が同じ戸籍に載っているものになりますが、さらに相続人の婚姻の有無により、必要な戸籍の種類や部数が異なってきます。

なお、戸籍類の取得先については、それぞれのお住まいではなく、本籍地の役所でしか取得できないです。

そのため、遠くて戸籍の本籍地の役所に行けない場合でも、郵送で戸籍類を取得することが可能なのです。

つまり、亡くなった人が所有していた不動産の名寄帳を取得するためには、亡くなった人と、その相続人の戸籍類を先に取得することが必要なのです。

名寄帳を取得するには、自分が所有する不動産の名寄帳を取得する場合と、亡くなった人が所有していた不動産の名寄帳を取得する場合とで異なるのです。

また、役所まで直接行って取得する場合と、郵送で取得する場合とで必要な書類が異なってくるのです。

名寄帳を郵送で取得する

なお、郵送で名寄帳を取得したい場合、上記の①~④に加えて⑤ 返送用の封筒も一緒に同封し役所に送付する必要があります。

ただ、返送用の封筒に切手を貼る必要があります。名寄帳の枚数の重さに対応する金額の切手を十分貼っておきます。

②の交付手数料については、ゆうちょ銀行発行の定額小為替により支払う必要があります。

ちなみに、この交付手数料の支払い方法は、名寄帳だけでなく名寄帳の取得に必要な戸籍類を役所から取得する場合も同じで、定額小為替によって支払う必要があるのです。

そのため、先にゆうちょ銀行で交付手数料分の定額小為替を購入しておく必要があります。

郵送で名寄帳を取得したい場合、③の身分証明書については運転免許証のコピーを名寄帳の申請書類と一緒に役所に送ることになります。

このように名寄帳を郵送で取得することも可能です。先に戸籍類の取得も必要になってくるので意外と手間と時間のかかる作業になっています。

どこで取得できるか

なお、名寄帳の取得先の役所については、その不動産を管轄している地域の市区町村の役所のみとなります。その役所に遠くて行けない場合には郵送で取得する方法のみとなります。

戸籍の取得

亡くなった人の戸籍には、亡くなっていることと年月日が記載されている戸籍が必要ですので、生存していた頃に発行された戸籍ではだめということになります。

たとえば、たまたま亡くなる前の戸籍が手元にあったとしても、その戸籍には亡くなったことや年月日の記載がないため、再度、亡くなった人の戸籍を取得しなければなりません。

なお、亡くなった人の戸籍の中に名寄帳を取得しようとしている相続人の記載もあれば、相続人の戸籍については兼ねることができます。

逆に、亡くなった人の戸籍の中に名寄帳を取得しようとしている相続人の記載がなければ、相続人の現在の戸籍が必要になります。

ちなみに、亡くなった人の住民票の除票や相続人の住民票については、名寄帳や評価証明書を取得する時には必要ありません。

必要な戸籍の範囲

不動産の相続登記で相続人を確定させるために、あらかじめ亡くなった人の出生から亡くなるまでのすべての戸籍と、相続人全員の戸籍と住民票(又は戸籍の附票)を取得しておく作業が必要です。

先にそれらの戸籍を取得しておいてから相続人を確定させて、次に、名寄帳や評価証明書を取得して財産を把握した上で、遺産分割の話し合いを相続人同士で行う流れが一般的だからです。

名古屋市の手続き方法

市町村によるルールや様式が若干異なるのでその一部をお知らせします。

名古屋市では、いわゆる「名寄帳」の写しは交付されません。所有者本人に対して課税資産を一覧にした課税明細書が送付されます。

それは、毎年4月に届く納税通知書に同封されていますので、課税明細書で確認してください。

また、「相続のため」という使用目的で名寄帳が必要な場合、費用がかからない市町村もありますので、各市町村にお問い合わせください。

まとめ

以上のとおり、相続手続きにおいて、名寄帳の情報がいかに重要かお分かりいただけたかと思います。二度手間や無駄に費用を掛けなくても済むように、最初の段階での名寄帳の取得をお勧めします。

無料相談受付中

お急ぎの方は
お電話でご連絡ください

  • 初回相談1H無料
  • 土日祝も対応
  • 相続専門店舗

052-433-5566営業時間 9:00〜20:00 年中無休【土日祝も営業】