公正証書遺言を作成するにはどこに行けばいい?名古屋にある公証役場と公正証書の事例をご紹介

2019.12.29

公証役場と聞いて、どんなところか、何をしに行くところか、どこにあるのか、などすぐに思い当たる人はごくわずかだと思います。あまり普段の生活には馴染みがない場所ということが言えます。

公証役場

公証人

公証役場には「公証人」という方がいらっしゃいます。「公証人」とはどういう人がなれるのでしょうか。国の公務となる公証事務を行う公務員です。公証人ひとりひとりが、一役所のような存在です。

法律を扱いますが、同じ法律家の中でも、当事者の一方である一般私人からの依頼で、その依頼主のために活動するいわゆる士業といわれる弁護士、司法書士、行政書士などとは異なる立場です。

しかも、公証人が行う公証事務というものは、ひとりひとりの権利義務に関係しますし、私的紛争を予防することを目指していますので、公証人が作成する文書には、強制執行が可能な公正証書も含まれています。

ですので、公証人は、単純に高度な法的知識に加え、豊富な法律実務経験を有していることが必要であるだけでなく、公務員として、あくまで中立・公正でなければなりません。

どのような経歴の人が公証人になるのでしょうか。公証人は、原則として判事、検事などを長く務めた法律実務の経験豊かな者という前提で、さらに公募に応じた者の中から、法務大臣が任命することになっています。

なお、現在は、多年にわたって法務事務に携わり、法曹有資格者に準ずる学識経験を持つ者で、なおかつ、検察官・公証人特別任用等審査会の選考を経て公募に応じた者についても、法務大臣が公証人に任命します。

公証人は、公務員の立場ではありますが、国から給与などの給付をうけるのではなく、「手数料令」という国が定めた手数料収入によってひとりひとりが運営しており、一律にはなっていません。手数料制の、公務員とも言われています。

公証人は全国で約500名、さらに公証人が執務する事務所となる公証役場は、約300箇所あります。任期は70歳までとされています。

公証人の主な業務

公証人の主な業務としては、「公正証書の作成」「会社の定款や私文書の認証」「私文書の確定日付の証明」です。

「公正証書の作成」とは、私人間の契約書や遺言書を公平中立な立場で認証することです。認証することで、その契約書や遺言の存在が公に認められることとなります。

例えば、金銭消費貸借契約について、強制執行付きの文言があれば、内容について争いないほどに、裁判所で取得した判決と同じような効力を持ちます。

公正証書にしていないと、契約の当事者間では契約内容は有効ですが、第三者との関係ではその契約が本当に有効なのかはわかりません。あとから契約書類だけその契約を根拠に、例えば債務の返還を請求したとしても、強制執行することはおろか、契約内容について疑義が生じてしまうこともあり得ます。

遺言のそのようなトラブルを回避するためにも、公証人の費用を負担してでも、公正証書にする意義が出てきます。「会社の定款や私文書の認証」は、会社設立する際には、会社の事業目的や組織内容について定款を作成してまとめなければなりません。

定款は認証が必須で、法人設立手続きに使用できません。したがって法人を設立しようとするときは、必ず定款について公証人の認証が必要になってきます。内容について法律的に正当性があるかどうかを公証人が判断しています。

「私文書の認証」としては、例として、意見陳述書など、契約など当事者が複数いなくて作成した書面などについて、公証人が認証することによって、署名が真正なものか(本物かどうか)、またその正確性を示すために「宣誓認証」という形式をとります。

陳述者本人に記載した内容に偽りはないか宣誓させた上で署名させ、公証人がそれを認証するというものです。

これにより、陳述自体の信ぴょう性が示されることになり、裁判上の手続きにおいて提出される書面などに利用されています。

「私文書の確定日付の証明」については、文書がメモであろうと、陳述書であろうと、契約書であろうと、その日付けにおいてその文書が間違いなく存在したという証明になります。

したがって、あとからつじつま合わせのために、書面を作成したということが言えなくなるわけです。この効果は、郵便の消印にも同様の効果があると言えば、イメージしやすいかと思います。

逆にいえば、その文書の内容については、審議したり確認したりすることは一切ありません。内容的な正確性を証明するものではないからです。その分、安価な費用で対応していただくことができます。

公証役場はどこにある

公証役場は、法務省が管轄する役所のことです。聞いただけで難しそうな名前ですよね。公証役場は、全都道府県にあります。その中でも人口の多い地域に多く設置されているのです。

公証役場では、上記のように契約書や遺言を公正証書として作成します。ですので、全国各地にあるのも理解できるかと思います。

ただし、「役場」という言葉から公証役場を市区役所に関係しているものと勘違いされている方が多くいらっしゃいます。
市区役所は地方自治体です。しかし公証役場は法務省、いわば国の機関の一部になるのです。

よって、同じ「役所」ではあるのですが、組織として市区役所と公証役場は関係がありません。公正証書などを作成したい場合は、「都道府県 公証役場」とインターネットで検索をされるといいかと思います。

また、公証役場を含む役所は平日の9時から17時頃が営業時間となっています。

名古屋の公証役場

さて、名古屋においてはどこにあるのでしょうか。名古屋市内には、3か所の公証役場があります。熱田区、東区、中村区の3か所です。愛知県内には、先の名古屋市内の3か所を含めて11か所の公証役場があります。

どの種類の公正証書を作成するのであっても、また確定日付の証明であっても、公証役場へ出向いて手続きするのであれば、地域による管轄のような限定はありません。

名古屋に住んでいる人が、豊橋の公証役場に出向いても受付けしてもらえるということです。あまり気にせず最寄りの公証役場へ出向いていただければ大丈夫です。

ご事情により出向くことができない場合は、公証人の出張による対応も可能です。出張日程の調整の上、旅費日当が加算されます。この出張の場合は、同都道府県内のみの対応になりますので、名古屋の公証人に、岐阜へ出張にきてもらうことはできません。

公証役場の事例

では実際に公証役場に行ったときの事例をお話します。

公正証書遺言作成

遺言作成をしたいとの依頼がありました。遺言の作成方法には、自筆遺言証書と公正証書遺言がありますが、公正証書で遺言を作成する場合は、まず財産内容を把握します。聞き取りをして、どのように財産を遺したいかを整理していきます。

遺言書の原案を作成し、公証役場へ赴く、もしくは、公証役場へFAXなどで連絡をして、公証人に内容を確認してもらいます。あわせて、本人確認資料や内容を疎明する資料などを事前に確認してもらいます。

そして、確認ができたら、訪問日程を調整してもらいます。日程については、公証役場の執務日である平日、うち担当の公証人によっては、担当日が決まっていますので、それらを踏まえて日程調整をします。

必要書類(遺言の場合だと、印鑑証明書の原本、実印、公証人に対する費用を現金にて)を用意して当日訪問します。

訪問したら、実印照合の上、席に通されます。その際に同席できるのは、遺言者本人と、証人2名のみです。受遺者になる人や親族は、たとえ付き添いで訪問したとしても、遺言書を作成する席には同席できません。

証人になれる人も決まっていて、先ほど同席できないという方は証人になれません。受遺者や配偶者、直系血族、さらに未成年者は証人になれません。

席に着いたところで、公証人が本人に簡単な質問をします。お名前、お住まい、生年月日、家族構成などを聞かれます。遺言の内容について、だれに承継させるのか、いついても口頭で聞かれます。

質問のしかたは、さまざまですが、「長男の〇〇さんに遺したいのですね」とはい、いいえで答えられる質問のときもあれば、「不動産については誰に遺したいですか」と聞かれることがあります。

いずれにしても簡単に答えられる内容ですので、安心していただいて大丈夫です。ただし、この場面で、実質的にいわゆる遺言者本人の意思確認がなされていますので、準備した遺言原稿の内容と違った内容の回答をすると、当日の作成は難しく、作成しなおしとおりかねません。

さらに、証人として立ち会っている者は、内容について本人への働きかけができませんので、あくまで本人の口から回答することが大切です。

意思確認とは別に、普段とは違う環境の場所で、うまく受け答えができないことも想定されますので、同行される専門家などがいれば、この点についての事前のフォローが必要ですね。

手数料については、遺言に記載する財産の評価額総額、財産を承継する人ごとの財産の評価額によって計算されます。

<h3定款認証

定款とは、法人を設立するときに必要な、法人の基本的な取り決め事項のことです。公証人の認証がないと、効力が発生しませんので、必ず公証役場に出向くことになります。

定款作成について、流れは基本的に遺言のときと同様です。遺言と異なる点は、代理人による手続きが可能であるという点です。定款作成者からの委任状があれば、代理人が手続きできます。

まとめ

今回は、公証役場についての解説でしたが、いかがでしたでしょうか?普段聞きなれない言葉ばかりで戸惑った方も多いかと思いますが、公証役場へ行き、公正証書などを作成される際は、知識豊富な公証人の方がサポートして下さるかと思うので、安心してくださいね。

他にも、何かわからないことや不安なことがございましたらお気軽にご相談ください。

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