遺言書が見つかったらどうすればいい?まず行う遺言書検認と検認後の流れ

2019.12.29

サスペンスやホームドラマで登場人物がお亡くなりになった時ってよく遺言書が出てきますよね。家族総出で遺言書を確認して、相続問題に発展しているところを良く見ますが、実は遺言書は裁判所の立会がないと、遺言書の内容で話し合うことはもちろん、遺言書を開けることすらできない場合があるんです。

裁判所で開封に立ち会ってもらうことを「検認」というのですが、大切な家族がお亡くなりになったときにこの「検認」が必要かどうかを判断し、そして検認をしなかったことによるデメリットを被らないようにしましょう。

検認

そもそも検認とは、遺言書に書かれていることの確認と、あとから改変することを防ぐための手続きです。遺言が書かれた時のままの状態であるかどうかを確認し、見つけた相続人が自分の都合のいいように改変したり、都合の悪い部分を破棄したりしても問題がないように、家庭裁判所で裁判官の立会のもと開封を行います。

決して遺言書が有効か無効かを判断する手続きではないので気を付けましょう。実はこの手続きを怠ると、罰金として5万円が課せられますので、勝手に遺言書を開封するのは厳禁です。

故人の遺した遺言を正しく執行するための準備といっても過言ではないものですので、しっかりと把握しましょう。

検認が必要な場合

検認は遺言書が故人本人の遺したもので、なおかつ法律に定められた形式で作成ができているかどうかの証明をするための手続きですから、証明を受けていない遺言書が発見された場合に速やかに検認の申し立てをしないといけません。

遺言書には普通、作成方法が4パターンあり、そのうち生前から証明を受けることができるのは「公正証書遺言」というものだけです。

この公正証書遺言は、遺言者が公証役場で公証人に話した内容から遺言書が作成され、公証役場で遺言者本人の遺言として証明を受けることができます。そのため、形式もしっかりしているし、本人の遺言だとわかりきっているので、改めて裁判所で証明を受ける必要がありません。亡くなったら公証役場に出向いて、遺言書を受け取ってすぐに開封・相続手続きを開始することができます。

逆に他の方法で作成した遺言書は証明を受ける手立てがありませんので、裁判所で必ず証明を受ける、つまり検認の必要があるわけです。

検認の必要があるのは、遺言者がご自身で作成された「自筆証書遺言」の場合と、ご自身で作ったのちに公証役場で公証人の立会いのもとに封印をする「秘密証書遺言」の場合、また特殊な状況で作成された遺言(特別方式の遺言)も家庭裁判所での手続きが必要です。
公証役場で作成された「公正証書遺言」以外は全て検認の必要があると覚えておきましょう。

誰が検認をするのか

自筆証書遺言や秘密証書遺言は公証役場ではなく、本人が保管するものになりますが、予め信頼できる友人や知人、弁護士や行政書士などに預けている場合や、家族に遺言書の場所を知らせている場合もありますよね。

前者の場合は、預かっている方が検認の申立てをすることになっています。また後者の場合や、故人の自宅や銀行の貸金庫から見つかった場合などは発見した相続人が検認の申立てをすることになっています。

検認の申立てに際して必要書類を集めるのも申し立てる人の仕事になります。ただし一人で集めるとなると大変骨が折れますので、どちらの場合も委任をすることは可能です。委任をする場合は弁護士などに相談するのが良いでしょう。

検認の申立てに必要なもの

検認の申立てに際しては以下のものが必要になりますので、ご自身で申立てをされる際はしっかりと準備しましょう。

・申立書(裁判所がフォーマットを配布しています)
・収入印紙(遺言書一通につき800円分)
・各相続人への連絡用の郵便切手
・遺言者が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人になりうる方で死亡していた方がいた場合のその方が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

これらを、故人の最後の住所を管轄する家庭裁判所に提出すれば、検認の審理が行われ、これが通ると検認の手続きが始まります。

検認の手続きは? 検認では何をするの?

検認の手続きが完了するまでには最低でも2週間、長ければ1か月以上かかることもあります。
その間にどんな手続きが行われるのか見ていきましょう。

検認期日の決定

 検認をする日のことです。この日に相続人と裁判官、裁判所書記官が立ち会って遺言書を開封します。

検認期日の通知

 法定相続人全員に、検認期日を通知します。この通知は裁判所から発送されますので、申立人がすべての相続人に連絡をする必要はありません。

検認の実施

 検認期日に検認を行います。管轄の家庭裁判所で、申立人と集まった相続人、裁判官>と裁判所書記官の立会いのもと、遺言書を開封し確認していきます。この時相続人が立ち会うかどうか申立人以外は自由です。そのため高齢や病気を理由に立ち会わなくても問題ありません。また、申立人は遺言書と印鑑の持参が必要です。

検認で行うこと

 検認では、遺言書を開封して形状、加除訂正の状態、日付、署名など、遺言書の内容を確認するほか、遺言書がどこにあったかなど裁判官と申立人のやり取りを記録します。この記録は検認調書となり、出席できなかった相続人が確認できます。

検認後

 遺言書に検認済み証明書をつけなければなりませんので、検認済証明書の申請をします。遺言書一通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要となります。遺言の執行をするためには,遺言書に検認済証明書が付いていることが必要なためです。

検認済みの遺言書

検認が無事に終わっても遺言書が有効かどうかは断定してくれませんので、こちらで判断しなければなりません。こういう時は弁護士や行政書士が頼りになるのですが、時間を掛けたくない場合はご自身で判断できるよう、以下の項目を覚えておかれると良いと思います。

自筆証書遺言の場合

 ・日付・署名・捺印がある
 ・遺言の内容が明確である
 ・全て故人の手書きで作成されている
 ・ワープロや映像・音声データでない
 ・誰かの代筆ではない
 ・訂正がある場合、その方法が正確である

秘密証書遺言の場合

 ・日付・署名が手書きで記載されており、捺印もある
 ・訂正がある場合、その方法が正確である

これらを全てクリアし、遺言書が有効であると判断出来たらいよいよ相続手続きの開始になります。書かれてある遺言を執行していきます。

遺産分割協議をしなくてよい場合

遺言書に書かれている遺言で、内容が個別具体的な場合はそのまま従って遺産を分割するのが良いでしょう。ただし、相続人それぞれに遺留分という最低限の相続取り分が法律によって定められていますので、それを侵害していないか確認することも大事です。
遺留分は相続人の続柄に応じて総額が決まり、

・相続人が配偶者と子の場合は、遺産総額の1/2を分け合います。
 ➡配偶者がそのうちの1/2を、子は1/2を人数で分け合います。
  例)遺産が3,000万円で配偶者と子2人なら、遺留分の総額は1,500万円で、配偶者は750万円、子は375万円ずつが個人の遺留分となります。

・相続人が配偶者と父母の場合も、遺産総額の1/2を分け合います。
 ➡配偶者がそのうちの1/2を、父母は1/2を人数で分け合います。
  例)遺産が3,000万円で配偶者と父だけなら、遺留分の総額は1,500万円で、配偶者は750万円、父は750万円ずつが個人の遺留分となります。

・相続人が父母だけの場合は、遺産総額の1/3を分け合います。
 ➡父母はそれぞれ1/2が個人の遺留分です。
  例)遺産が3,000万円で父母ともに健在なら、遺留分の総額は1,000万円で、父母それぞれは500万円が個人の遺留分となります。

といったように、それぞれの相続人によって分け合うことが必要になります。

例えば4,000万円の遺産を配偶者であるAさんに2,500万円、息子のBさんに750万円、娘のCさんに750万円分けるのならば、遺留分はそれぞれ1,000万円・500万円・500万円ですので侵害しておらず、遺言書の通りに遺産を配分して相続することが可能です。

ただし、4,000万円の遺産を配偶者であるAさんに3,500万円、息子のBさんに500万円、娘のCさんはまだ学生なので0円といった配分にすると、Cさんの遺留分を500万円侵害していることになり、娘Cさんから配偶者Aさんに「遺留分滅殺請求」という遺留分を取り返すための請求を起こされる場合があるので注意が必要です。

問題なく相続ができた場合は、相続税の基礎控除額を確定させるため、相続人の調査と財産目録の作成を行い、各種名義変更等を行っていきます。

遺産分割協議をする場合

遺言書に書かれている遺言で、内容が個別具体的でなく、割合などで書かれている場合は遺産分割協議が必要です。協議時点での遺産の評価額を算出し、遺言書に従って・誰が・何を・どのくらい相続するのか明確にする必要があります。

そのため相続人の調査と財産目録の作成を行ってから協議に入る必要があります。協議の中である程度遺言書に沿う形で合意が取れたら、相続に入り、各種名義変更等を行っていきます。

この際に、隠し子がいた場合、その方の相続分を反映しない協議結果になっていると、遺産分割協議そのものは無効になってしまいますので、公的書類等でしっかりと相続人の調査を行いましょう。

最後に

ここまでの一連の流れは、弁護士や税理士、行政書士などに相談の上、委託をすることもできますので、故人を偲んでいるときにそこまでのことをするのは難しそうだと感じられた方や、手間の多さを感じられた方は専門家に頼るのもおすすめです。

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